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仲邑菫三段のレーティングについて - kai

2022/12/26 (Mon) 01:02:12

囲碁棋士のレーティングの公表を続けていただきどうもありがとうございます。
色々と大変かとは思いますが、囲碁界にとって貴重だと思いますので、是非今後とも続けていただければと思っております。


さて、女流棋士の12月の国内ランキングを見ると次の通りとなっているかと思います。

25 藤沢里菜  8.297
39 上野愛咲美 7.907
94 鈴木歩   7.151
102 仲邑菫   7.070
108 牛栄子   7.007

最近の仲邑菫三段についてはプロ棋士が碁の内容を高く評価する声を聞きますし、また実際の対局成績を考えても、上のような位置付けとなっているのは違和感を感じます。

例えば以下の10月の記事では、首藤八段が「藤沢さん上野さんとほとんど並んできていると言っても過言でない」「鈴木さんはやや分が悪い」と評しています。
https://www.nihonkiin.or.jp/etc/writer/column20221017.html

一般にレーティングは、成長中のプレイヤーの場合実際の実力に追いつくのに一定の時間がかかるかと思いますので、低めのレーティングが出ているのではないかと想像します。

そこで、簡単ではありますが次のような計算を行ってみました。


仲邑三段は10月~12月の公式戦で、17局中11局勝利しました。
対戦相手のレーティングから(1/{1+3^(-点数差)})の式を用いて期待勝率を出し、それらを足し合わせて勝ち数の期待値を求め、実際の勝ち数と比較してみました。
仲邑三段のレーティングを一定として、期待勝ち数が11に近くなる値を求めると、7.97となりました。

※以下の表は勝敗と、対局相手のレーティング、仲邑三段のレーティングを7.97としたときの期待勝率です。
 対戦相手のレーティングは全期間とも12月の国内ランキング(海外棋士は12月の世界ランキング)を使用しました。

● 小山空也 7.913 0.516
● 本木克弥 8.68  0.314
○ 姚智騰  7.143 0.713
○ 武井太心 6.448 0.842
● 謝依旻  6.975 0.749
○ 佃亜紀子 5.257 0.952
○ 謝依旻  6.975 0.749
○ 權孝珍  8.435 0.375
● 李炯珍  8.171 0.445
○ 牛栄子  7.007 0.742
● 酒井佑規 7.922 0.513
● 小池芳弘 8.333 0.402
○ 向井千瑛 6.98  0.748
○ 小山竜吾 5.289 0.95
○ 藤沢里菜 8.297 0.411
○ 奥田あや 6.442 0.843
○ 牛栄子  7.007 0.742

なお、7~12月の公式戦(35局中25勝)を対象に同様の計算をしてみたところ、仲邑三段のレーティングは7.90となりました。
また、そのうちレーティングが6.5以上の棋士との対局(21局中11勝)に絞って同様の計算をしたところ、7.70となりました。

いずれにしてもプロ棋士が「藤沢さん上野さんと並んできている」と言っている通りの結果ではないかとも感じられます。


実際のところ仲邑三段の現在の実力はどの程度と考えられますでしょうか。
長文の質問大変恐縮ではありますが、ご見解をうかがうことができれば幸いです。

Re: 仲邑菫三段のレーティングについて - mamumamu0413

2022/12/30 (Fri) 23:44:51

現時点での棋力は2022年の1年間で7点以上の相手にかなり勝率が良いことから、7点台後半だと推定できます。8点以上の相手には分が悪いのでまだそれ以上には評価できません。
2021年から2年間の、棋力の上昇の速度が大きく、上昇する速度が落ち着くまでは、レーティング計算の性質上、過去の数値に引きずられて数値が抑えられることになります。

Re: 仲邑菫三段のレーティングについて - kai

2023/01/01 (Sun) 16:16:39

ご回答いただきまして大変ありがとうございます。
昨年の実績はおっしゃる通りと思いますが、先月の藤沢里菜さんとの碁はとても良い内容で勝ち評判になりましたし、8点前後以上の棋士にも去年より勝っていくのではないかと期待しております。


ところで、13y9m時点での国内棋士のレーティング比較につきまして、趙治勲さんが7.201、仲邑菫さんが7.070、井山さんが7.025となっており、ほぼ横並びかと思います。

レーティングが大きく過小評価される現象が仲邑菫さんだけなのか、他の2者にも当てはまるのか気になるところですが、次の理由によりあまりあてはまらないかと思います。

・趙治勲さん→レーティングの推移は大きな上昇傾向にはない
・井山さん→入段してからそれほど経っておらず、RDが高く値の収束が早い。その後の推移もしばらく停滞傾向にある

従って、現時点において仲邑三段のレーティングは両者を上回っていそう(特に井山三冠に対してははっきり言えそう)かと思います。度々恐縮ではありますが、ご見解をうかがうことができれば幸いです。


また、個人的興味で恐縮ですが、差し支えなければGlicko-2における初期値やスケール変換、定数τなどをどのように定めているか、うかがえれば幸いです。

Re: 仲邑菫三段のレーティングについて - mamumamu0413

2023/01/04 (Wed) 18:56:51

仲邑さんのこの1~2年の成績を見れば、同年齢での他の棋士より優れており、両氏よりも早熟性(上位層に向かって急速に成長し始める年齢の低さ)が上で、13歳時点での実力が上回っているという評価もできます。

レーティングの初期値やパラメータの設定については、1か月先までの未知の結果を予測したときの期待勝率が結果と一致することを第一に考え、そのうえで、ランキングとして見たときの順位の入れ替えが実感に合うように決めました。スケーリングについては自分の使い勝手で決めたので特別な意味はありません。

Re: 仲邑菫三段のレーティングについて - kai

2023/01/06 (Fri) 22:32:02

再度の質問で失礼いたしましたが、ご回答どうもありがとうございました。

対局実績を過去に遡って集めるのは相当大変かと想像しますし、それを継続いただくのは本当に貴重な取り組みではないかと思います。
プロ棋士を含めて多くの人が見ているサイトだと思いますので、今後も継続いただけるよう願っております。

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